1928年創業のロットリング(rOtring)の筆記用具は、製図など仕事の道具として使うプロに高い支持を得続けています。製図用のペンであるメカニカルペンシルは、ロットリングのメイン商品となり、多くのバリエーションがあります。
ロットリングも含めて筆記用具の難しいところは、値段が高い商品が必ずしも書き心地が良くないところにあります。実際ロットリングには800と800+という上位モデルが存在しますが、書き心地は値段ほどではありません。
値段は置いておいて、ロットリングのメカニカルペンシルを機能性や使い心地といったペンとしての本当の価値で選ぶのであれば、ラピッドプロか600のどちらかになると思います。
それぞれのメカニカルペンシルについては既に詳細は以下の記事にしていますので参考にしてください。
またラピッドプロ ボールペンと600 ボールペンの比較も次の記事にまとめてありますのであわせてご覧ください。
サイズについて
文房具屋で手に取って比較するのではなく、ネットで選ぶのであれば、まず最初に気になるのはサイズ感だと思います。実際ラピッドプロと600では大きくサイズ感が異なり、この2本で迷うのであれば、サイズ感が決定的な要素になると思います。
より小ぶりで鉛筆に近いコンパクトさが欲しいのであれば600になって、より一般的なシャープペンシルに近い普通の太さ、大きさのものが欲しいのであればラピッドプロになります。
太さについて
グリップの太さはそれぞれボールペンと同じで、ラピッドプロが8.7mmに対して、600が8mmとなります。両方とも太くはありませんので、どうしても太めのグリップが好きなのであれば、両方とも選択肢から外れてしまいます。
600は鉛筆の太さと同じと思っていただいてよいかと思います。ラピッドプロは鉛筆よりすこし太めで、一般的なメカニカルペンシルのグリップの太さだと思います。
太いグリップだとどうしても細かなペン先のコントロールがしずらくなります。ちょっと文字を書く程度だとあまり気にならないかもしれませんが、イラストを描いたり、細かな線を書かないといけない際には絶対に細めのグリップの方が良いです。図やイラストを描くのであれば、600が適しています。
細いとペンを抑える指が疲れると感じる方もいらっしゃると思います。鉛筆であれば多少強く握らないと、適切な筆圧が出せませんが、ペン自体に重みがあるラピッドプロや600の場合、ペンの重みに任せて力を抜いて握って書くことをお勧めします。筆圧はペンの重み程度で、芯の太さや濃さをかえることで線の表情は調整することができます。
長さについて
普通メカニカルペンシルの長さなんて、気にならないかもしれません。600もラピッドプロも長さは一般的なメカニカルペンシルの長さと変わらないです。
一応ラピッドプロは芯先を格納した状態で14.5cmあります。600は芯先は格納できないのでそのままで14.0cmとなります。600の芯先は4mmありますが、ラピッドプロは書いているうちに芯先が短く格納されていくので、大体5~9mmの差ということになります。
デザインについて
正直両方ともカッコよくて甲乙つけがたいのですが、微妙な差がありますので説明します。
芯先の格納
600は芯先は固定で、ラピッドプロは格納されます。格納される芯先はペンを裸で持ち歩くことが多いのであれば、ひっかかったりするケースもあると思いますので、あった方が良い機能だと思います。
格納されない600だと芯先が折れてしまうことがあるのではないかと思われるかもしれませんが、私は一度も折ったことがありません。通常のメカニカルペンシルは格納されないタイプですので、芯先の折れは気にしなくても良いと思います。
心配性の方のために情報までですが、芯先というか口金ごと別売で買えます。入手性は良くないので、文房具屋で取り寄せが必要です。
赤いリングの位置
ボールペンの比較でも取り上げましたが、メカニカルペンシルを選ぶ際にも赤いリングの位置の好き嫌いがあると思います。でもメカニカルペンシル単体で考えるのであれば、600の方が全体的にすっきりした印象で良いと思います。
ボールペンの場合は、ラピッドプロのグリップのところにあるプラスチック素材が機能面で効果を出していたのに対して、メカニカルペンシルの場合は全く意味がないので、単なるデザインとしてリングがあるだけになるところが残念です。
六角軸
ロットリングを選ぶ時点で、六角軸好きだと思いますが、軸は両方とも六角です。ラピッドプロは多少角が丸みを帯びていて、600はシャープな角となっています。
ペンを握っている際に、ペンを回転させたのが皮膚に伝わる感触がより研ぎ澄まされるのは600の方です。といっても伝わらないですよね。そういった方はステッドラーをどうぞ。
ローレットグリップの長さ
ボールペンの比較でも解説しましたが、ローレットグリップの長さの違いがメカニカルペンシルでもあります。ペンの握り方によっては600のグリップの短さはネックになるかもしれません。ペン先から離して握るタイプの方はラピッドプロがお勧めです。
硬度の表示窓
600には4Hから2Bまで、芯の硬度を表示するための窓がついています。ラピッドプロにはありません。これがついてることは製図用メカニカルペンシルとしての証のようなものです。
書き心地について
書き心地は圧倒的に600が良いです。ラピッドプロが悪いとは言いませんが、ロットリングをせっかく使うのであれば600の軸が全くぶれないソリッドな書き心地を体験してほしいです。
600が機構的にシンプルだということが、一番大きな要因ですが、ラピッドプロは複雑な機構のせいでどうしても軸の揺れがペン先に出てしまいます。それでも800や800+よりはまともですが、普通のメカニカルペンシルと変わらなくなってしまいます。
まとめ
今回はロットリングのラピッドプロ メカニカルペンシルと600 メカニカルペンシルを比較してみました。ボールペンでは差が少なかった2つのシリーズですが、メカニカルペンシルの場合は圧倒的に600の方が魅力的だ思います。
ラピッドプロのボールペンを持っているのであれば、メカニカルペンシルもそろえた方が統一感がありますが、メカニカルペンシル単体であれば600をまずは買っておきたいところです。
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